立徳ブログ おもしろい本とDVDの話

世界をよく理解して、自分の頭で考え行動するのに役立つ本とDVDを紹介します。そして、たまに時事評論も。 書名・作品名をクリックすると、さらに詳しい情報がわかります。

EQ

ダニエル・ゴールマン、EQ―こころの知能指数、講談社プラスアルファ文庫、1998年(原著1995年)

 まず、目次を掲載する。

 第1部 情動の脳
  第 1章 情動とは何か
  第 2章 情動のハイジャック

 第2部 EQ〜こころの知能指数
  第 3章 秀才がつまずくとき
  第 4章 汝自身を知れ
  第 5章 激情の奴隷
  第 6章 才能を生かすEQ
 第 7章 共感のルーツ
  第 8章 社会的知性

 第3部 EQ応用編
  第 9章 結婚生活の愛憎
  第10章 職場のEQ
  第11章 医療とこころ

 第4部 EQは教育できる
  第12章 家庭が教えるEQ
  第13章 心的外傷の修復
  第14章 気質は変えられる

 第5部 情動の知性
  第15章 情動教育のかたち

 EQとは「情動の知性」の高さを示す尺度で、「情動の知性」とは情動(感情の動き)をコントロールして人間関係を円滑に処理する能力のことである。EQの高い人は人生を賢く生きることができ、「情動の知性」を育てる教育が社会の平和の基礎となる。

 (紹介者コメント)
 この本は気軽にざっと読み流せるようなものではなく、意識を集中してよく理解しながら読み進む必要のあるものだ。情動および「情動の知性」の働きについては様々な事例やデータを見ることでよく理解できるので、今回は各章ごとの要約はあえてつけなかった。「情動の知性」の重要性についてはできるだけ多くの人に知られたほうがよく、学校だけでなく、あらやるところで「情動の知性」を育成する情動教育が盛んになることを望む。

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啓蒙とは何か

カント、永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編、光文社古典新訳文庫、2006年より「啓蒙とは何か」(原著は1784年)

 この論文は訳注も含めてわずか21頁であるから、全体の要約は必要ないだろう。そこで、特に重要な箇所を選んで紹介する。

 まず冒頭でカントは「啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということである」(10頁)と述べ、読者に「自分の理性を使う勇気をもて」(同頁)と呼びかける。

 啓蒙がなされるには必要な条件がある。それは「自分の理性をあらゆるところで公的に使用する自由」(14頁)が保障されることだ。ここでいう理性の公的な利用とは、「ある人が学者として、読者であるすべての公衆の前で、みずからの理性を行使することである」(15頁)。ここでいう「学者」は自分の頭で考えて自分の意見を発表する人のことであり、どのような職業についているかは関係ない。これに対して、理性の私的な利用とは、「ある人が市民としての地位または官職についている者として、理性を行使することである」(同頁)。カントの用いている「公的」と「私的」という言葉は一般に使われているのとは逆の意味のように思われるだろう。カントにとって、「公的」とは世界の市民社会の一員として行動する場合をいい、それ以外の資格や立場で行動する場合は「私的」とみなされるのである。

 理性の公的利用の自由が保障されてはじめて、人間を「未成年の状態」においている様々な法規や決まりごとを問い直すことが可能になる。そして、「この自由が国民の意識に浸透していくと、自由に行動する能力がますます高められ、それがやがては統治の原則にまで及んでいくのである」(26頁)。

 (紹介者コメント)
 この論文は18世紀ドイツの置かれている現状をふまえて書かれたものだが、現在でも公衆を未成年状態のくびきのもとにとどめようとする勢力や制度は存在するのだから依然としてカントの主張は有効だと思う。そして、不条理が存在する限り、人類にとって啓蒙は必要とされるだろう。

 ITの普及により、技術の面ではあらゆる人が「学者」としてふるまうことが可能になった。今こそ自分の理性を公的に使うときではないだろうか。

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郵政民営化という陰謀?

「きっこのブログ」10月1日の記事
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2006/10/post_cf05.html
には次のようなことが書かれている。以下、引用。

 「で、コイズミと竹中平蔵の売国奴コンビが、あれほど鼻息を荒くして、声が枯れるまで叫び続けてた「郵政民営化」って、今、どうなってんの?‥‥って、誰もが思うだろう。シンクタンク藤原事務所所長、藤原直哉さんの「ワールドレポート」の最新版(9月27日号)によると、郵貯と簡保の350兆円のうちの200兆円は、すでに、ゴールドマンサックス証券を経由して「米国30年債」の購入に充てられていて、郵政民営化の功労賞として、コイズミは1兆円ぶん、竹中平蔵は2兆円ぶんの米国債を受け取り、それを内部告発され、4月に検察から事情聴取をされていたが、CIAの圧力で、検察の捜査も続けられなくなった。そして、竹中平蔵は、アメリカとの密約によって、コトが表ザタになる前に大臣の座を退き、トットとアメリカへ戻り、アメリカが用意してたスタンフォード大学の客員教授のイスに座るっていう情報が、「聴いた話」として書かれていた」

 以上で引用終わり。藤原直哉の「ワールドレポート」は有料なので筆者はこれを読んでいないが、「藤原直哉のインターネット放送局」(こちらは無料)9月26日放送分
http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/2006/09/200626_3016.html
で藤原氏はこれとまったく同じことを語っているのを聞くことができた。

 それでは、藤原氏は誰からこの話を「聴いた」のか。この点については、この放送に対するコメント欄で、「自民党の裏方をやっている実力者」と書いている。藤原氏は御自身の事務所のウェブサイトhttp://www.fujiwaraoffice.co.jp/companyinfo/734.php
によると、経済・経営の専門家だそうだが、この人の発言内容が信じられるかどうか、「なんだかなあ」という感じがする。

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日中戦争への陰謀? その2

「きっこのブログ」9月30日の記事
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2006/09/post_250e.html
には次のようなことが書かれてある。以下、引用。

 「9月21日の「安倍晋三が改憲を急ぐワケ」で紹介した、西山澄夫さんのML、「週刊オルタ」に掲載されてた、安倍晋三が「ニポンと中国をいかに戦争に突入させるか」っていう会議に出席してたって情報にしたって、西山さんの書いた記事を鵜呑みにして、そのまま転載したワケじゃない。ちゃんと、別の情報源からも同様の情報を得てる上に、実際にこの会議に出席した人物から、その恐ろしい内容までを具体的に聞いている。そして、その上で、日記にアップした」。

 以上で引用終わり。きっこが「『ニポンと中国をいかに戦争に突入させるか』っていう会議」と呼んでいる会議は正式には「日米同盟の変遷 防衛協力と統合の深化へ向けて」会議という(以下、単に「日米同盟会議」という)。この会議については会議を主催したアメリカのシンクタンクAEIのウェブサイト
http://www.aei.org/events/eventID.1157,filter.all/event_detail.asp
で関連資料(英文の議事録を含む)が公開されている。

 資料を見ると、たしかに安倍晋三は2005年10月25日の講演夕食会に出席して、基調講演を行っている。安倍氏の講演内容は全文議事録に掲載されているが、この講演を受けて夕食会でどういうことが話し合われたかという点については議事録には記録されていない。したがって、日中戦争に向けた陰謀が「日米同盟会議」で話し合われたのかどうか、すぐには判断できない。この会議について公開されている情報をもとに推測するしかないが、議事録は英文で476頁もあり、これを全部読んで何らかの判断をするには当分時間がかかりそうだ。

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